皆さんは最近深い呼吸をされていますか?
お忙しい日常生活の中で、最後に深呼吸されたのはいつ頃になるでしょうか?
現代人は呼吸が非常に浅くなっております。
情報の洪水にさらされ、決めなければならないことに溢れているため、リラックスできる余裕も減ってきています。
ずっとスマートフォンが手元にあり、いつ鳴るか分からないという点も、無意識の内に身体に緊張をしいて呼吸を浅くしている一因かもしれません。
そのような場合に役立つのが一日一回にチベット体操です。
チベット体操は一定のリズムを保ちながら実践できる点が特徴ですが、身体の動きのリズムだけではなく呼吸のリズムについても確立することができます。
中でも、第4,5の儀式については吸う・止める・吐くをゆったりと行いますが、特に「止める」ことの重要性については私自身が身をもって体験したことがあります。
呼吸を止めることの効用
私は一度、異常に速くなった心拍数を、呼吸を止めることで正常な範囲に戻すことができました。
救急病院で測った際には150回/分ほどの心拍数でしたが、この時は「普通ではない自分」を認識している自分がいたものの、制御不能なパニック状態でした。
10分経っても心拍数が異常に高いままで焦っていた私は、救急病院の医師の方から呼吸を無理のない範囲で止めてみるように指示されました。
5〜10秒程度息を止める→ゆっくり吐く→ゆっくり吸う、を繰り返した結果、それまで深呼吸をしても心拍数が下がらなかったにも関わらず、順調に心拍数が正常に下がりました。
これは、バルサルバ法という、迷走神経という神経の性質を利用した方法であるようです。
私は息を止めると脈拍が増えると思っておりましたが、適度な時間であれば脈拍数を下げる効果があるというのは目から鱗でした。
人間の身体には不思議な機能が備わっているようで、風が吹けば桶屋が儲かるというような、予想もつかないプロセスを経て作用することもあるいうことを体感しました。
チベット体操での呼吸法は普段の生活では行わない方法ですので、日常生活では働きかけることのない器官に刺激を与えることができるかもしれません。
無意識で呼吸した場合、1分間で平均15回少々ということのようですが、これは1回あたり4秒弱という計算になりますが、チベット体操の場合は1サイクルは当然のことながら4秒では収まらず、吸って止めて吐いてを合わせると20秒程度要するかもしれません。
そうなると1分間で3回程度という少なさになり、瞑想をしている最中のレベルに匹敵することになります。
リラックスする際に優位になる副交感神経も大いに刺激されることとなり、緊張や活動を司る交感神経が優位になりがちな現代人にとっては望ましい作用が期待できることでしょう。
もちろん過ぎたるは及ばざるがごとしですが、健康体に対する適度な刺激は、より健康度合いを高めてくれると言ってもよいのでは、と感じた出来事でした。
心拍数が上がったきっかけ
ちなみに心拍数が上がったきっかけですが、コーヒーが私の体質に合わなかったことが原因かと思われます。
社会人になってからはコーヒーが好きでよく飲んでいましたが、インスタントコーヒーを飲むと手足が軽くしびれ、呼吸もしずらいという全体的な倦怠感を感じておりました。
しかし、カフェのコーヒーは飲んでも特に変化がなかったことと、コーヒー自体は大好きであったこともあり、カフェで資格勉強を始めた頃から毎日カフェを利用するようになり、1日2杯ブラックコーヒーを飲んでおりました。
特に支障はなかったので、飲み続けておりましたが、ブラックコーヒーを3杯飲んだある日、心拍数が上がりめまいがし、そのまま前述のパニックの状態となりました。
病院でも、コーヒーを飲むと不整脈になる方もいるという話を伺い、私は自分がコーヒーアレルギーとも言える状態であったことを認識しました。
人間には向き不向きがありますが、私は子供の頃から花粉症を発症していたこともあり、人一倍刺激物に対しては敏感なようですので、身の丈にあった食材が必要だということを悟れただけでもこの経験には意味があったと思います。
自分のあるべき姿に近づけ、そして、落ち着いて呼吸をする機会を提供してくれるチベット体操。
皆さんも大切な自分と向き合う時間を作るためにお試しになられてみてはいかがでしょうか。