これからの時代は専門性とセレンディピティが生き残る秘訣?スキルアップの方向を考えてみた

最近はますます産業の変化が激しくなっています。
東京商工リサーチによると、企業の平均寿命は23.5年(2017年)ということですが、金融・保険業は16.4年ということでした。

実際に企業が順調な経営をキープできる期間はこれよりも遥かに短いでしょうね。

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破壊的イノベーションが加速して産業寿命が縮まると私たちはどうなる?

他分野の企業による破壊的イノベーションが既存の産業を消滅させる事例は挙げればいくつもありますね。

iTunesの音楽ダウンロード販売がCDに取って代わった例や、スマートフォンの爆発的ヒットによるガラケーとのシェア逆転、最近では金融事業にIT企業が参入して来るFintech、自動運転の研究、AIや機械学習のブーム、、、

ITが情報の流通速度を劇的に速めたことで、今後はますます一つの産業分野の寿命が短くなっていくんじゃないでしょうか?

ということは、企業の寿命も縮まるのは自然な流れでしょうし、もし私たちがその会社で働いていたら、業種を越える転職を余儀なくされることもありそうですね。
今後のキャリアを考えると不安になることもありますよね。

異分野をまたがるスキルの価値が上がる

ところで、スキルや経験を伸ばす際に、どのような戦略を描けば良いのでしょうか?

スペシャリストとジェネラリストとは?

スキルアップの方向性としては以下の2つの方向性があります。

  • スペシャリスト:一つの専門分野を深く掘り下げる
  • ジェネラリスト:浅く広く、守備範囲を広げて汎用性を高める

企業や組織に所属して働いていく上ではジェネラリストを目指して管理職のキャリアを歩んでいく方が年収レンジも高く、サラリーマンとしては条件に恵まれた方向性であることが多かったですが、今は一概にそうは言えませんよね。

最近ではスペシャリスト育成に重点が置かれていて、高等教育でも専門課程に力が入れられてますね。

一方、スペシャリストとして専門領域を掘り下げる場合も、その他全てのことは知らぬ存ぜぬだと、スキルセットとしては柔軟性に欠けていて、それこそ自分の専門分野が破壊的イノベーションで消えたら大変です。

という訳で、深さ/広さのいずれがよいかということではなく、バランスよく2つの方向に力を伸ばしていく必要があると考えられないでしょうか。

ハイブリッド系としてのT型人材、パイ型(π型)人材

スーパーマンなT字型人材

理想的なスキル習得の形として「T字型」と呼ばれる状態があります。

これはTという文字が表す通り、

  • 縦方向:一つの専門領域についてスペシャリストと言えるほどに精通
  • 横方向:ジェネラリストとして汎用性の高い知識・知恵を持つ

という状態です。

つまり、スペシャリスト&ジェネラリストというスーパーマン状態です。

更にパワーアップしたパイ型(π型)

専門領域としての強みを2つ持っている場合にはT字型ではなくπ字型(パイ字型)と呼ばれます。

例えばシステム開発もできて会計の深いところまで分かる人はパイ型人材と言えますね。

パイ型人材の強みは、異分野に跨る活躍ができることですね。
経営コンサルタントの山口周氏はこの人材をクロスオーバー人材と呼んでいます。

イノベーションは新しい結合によってなされるので、クロスオーバー人材こそイノベーションを牽引する人ということですね。
ニッチで希少価値のあるポジションであるからこそ、給与も高くやりがいも感じる仕事をできるでしょうね。

また、π字型のスキル開発の訓練のやり方次第では、「単純に学ぶ」から発展して「学び方を学ぶ」こともできるので、異分野を渡り歩く力も磨かれて明るい展望も描けるかもしれません。

それでは専門性と汎用性はどうやって磨けるのでしょうか。

専門性は実務経験と自己啓発で身に着ける

縦軸の専門性については、実務経験や自己啓発によって身に着けることになりますが、目的となる分野が明確なので取り組むべきことはわかりやすいですね。

専門書を勉強する、専門学校に通う、関連する仕事に就く、という形で取り組めば良いのですからね。
オンライン学習も豊富にある現在なら通勤時間を使って勉強することもできます。

法律系・会計系・知財マーケティング系の資格であれば資格試験のオンライン学習サービス「資格スクエア」 で勉強することができます。

最近はMOOC(Massive Open Online Course:ムーク)というオンライン公開講座も充実していて、英語が少しできるならCourseraには機械学習の講義もあったり、独学で勉強する機会は開かれてます。
※Courseraはスマホアプリもあって、あらかじめ家でダウンロードしておけば外で通信せずに勉強できますよ!

私も機械学習の講義を受けましたが、AIの権威であり、スタンフォード大学教授・Googleにも在籍していたアンドリュー先生が優しく励ましながら教えてくれましたよ。

実践的な機械学習を学びたい場合は、シリコンバレー発の世界最大オンライン動画学習サービスのUdemyがおすすめです。
私はITエンジニアをやっていますが、周囲のエンジニア仲間には未経験分野をUdemyで勉強して補えている人もおり、Udemyで転職に必要なスキルを身につけたいという思いで受講する人もいるようです。

ジェネラリストとしての教養(リベラルアーツ)は学びの型が決められない

一方で、スキルの横軸、つまり汎用スキルである一般教養については、コレと言った習得スタイルがないんですよね。。。

図書館の本を片っ端から読むわけにも行きませんし、Wikipediaを義務感だけで読むのも何か違いますよね。
そりゃあ沢山の量を学べるに越したことはないですが、時間にも限りがあるわけですし。

となると、おのずと偶然の縁を大切にする、ということになりますね。

なんだ運任せか、と思うかもしれませんが、計画された偶発性(プランドハプンスタンス)と呼ばれる理論があり、成功したビジネスパーソンのキャリア形成においても8割は予期せぬ偶然によってもたらされたようです。

実際に成功者を特集した番組やインタビューでも、振り返ったら予期せぬ出会いがターニングポイントとなった事例が多いように思います。

このような偶然の出会いや発見は、セレンディピティと呼ばれています。

セレンディピティとはポジティブに生きた人に開かれる扉

セレンディピティを発動させるためのコツとしては、以下のような楽観的でポジティブなスタンスが挙げられます。

  • ざっくりと方向性のみ決めて、細かいところまで決めすぎない(こだわりすぎない)
  • 外に出る。専門分野にこもらず様々なことに目を向ける
  • 失敗したり思い通りに行かなくても、諦めず取り組み続ける
  • うまく行かない場合も柔軟に受け止めてチャンスと捉える
  • 結果が見えない場合もリスクをとって進む

ニュートンの万有引力発見、アレクサンダー・フレミングのペニシリン発見、スペンサーの電子レンジ、調合ミスによるコカ・コーラの誕生、弱い接着剤によるポストイット誕生、といった革新的な発見・発明もセレンディピティのメカニズムが働いたと言っても過言ではありませんよね。

1次情報でも2次情報でもいい

自分の実体験に基づく情報を1次情報、書籍などの他者から得た情報を2次情報と呼びますが、ジェネラリストとして成長するための偶然の出会いは、2次情報からでもいいと思います。

そりゃあ、旅行や習い事といった実体験を伴う1次情報からの学びの方が強く記憶に残るとは思いますが、書籍やドラマ・アニメといった2次情報からも示唆は得られると思うんですよね。

書籍は著者の人生経験とアイデアが凝縮されたコンテンツですし、ドラマやアニメも綿密な取材を重ねてリアリティを実現した世界を疑似体験できるのですから十分だと思いませんか。

肝心なのは学びを整理していつでも引き出せるようにしておくこと

またまた山口周氏の言葉ですが、一般教養から得た学びは、そのままでは役に立てづらいということです。

役立てられるようにするためには二つのポイントがあります。

ポイント1 抽象化

ポイントの1点目は、学びのエピソードそのものだと流用がきかないので、流用可能なように抽象的な概念として抜き出すということです。

高い専門スキルを身に着けた人で、他の分野も未経験にも関わらずあっという間にマスターしてしまう人がいますが、これって「専門スキルの勉強」の経験を「効率的な勉強方法」に昇華できたからなんですよね。

私も自分の経験を基に勉強法についてまとめたりしていますが、まだまだ抽象化の力が足りません。
でも、横展開可能になるように考える過程では抽象化の能力が鍛えられている感じがありますよ。

勉強法だけではなく、どんなネタからも抽象化の訓練はできます。

例えば小説「十二国記」では、国を治めるのは「非情の国王」と「慈愛の麒麟」の2名体制なのですが、これは両極端な特徴を持つ複数の機関があることで、一極集中と暴走を避けることができるという仕組みと捉えることができます。

上記が頭の中にあれば、チームを組むときにも多様性を持たせたり、対照的な特徴を持つメンバーをうまく組ませて良い意味でのけん制機能を持たせてバランスを取ることもできますよね。
※これが合っているかは重要ではないです。仮説と検証を繰り返す経験が重要なんです。

ポイント2 構造化と外部保管

2点目は、覚えた内容はすぐに忘れるので、いつでも取り出し(検索)可能な形で整理しておくということです。

専門知識はマスターしたらすぐに仕事に活かせます。当然ですよね。

でも、汎用的な知識は即使えるかというと、そうではありません。
必要なタイミングはいつ来るかわからないというのが汎用スキルですが、年月が経って必要な時期が来ても大体忘れてしまいますよね。
※私の場合、その知識を以前は知っていたことすら忘れてしまいます。。。

人は忘れる生き物ですので、忘れることを前提にしなければいけません。
というわけで、いつでも取り出し可能なデータとして整理して外部保管しておくのが良いです。

Evernote(エバーノート)は無料で2台の端末まで利用可能ですので、PCとスマホで情報共有できるので使い勝手がいいですよ。
各メモ(ノートと呼びます)にタグをつけることもできるので、タグを使った横断検索も後で見直す時に重宝します。

無料プランだと通信容量の制限がありますが、写真は使わずに文字情報(テキスト)だけ使うので十分です。
PCからコピペ、スマホからは音声入力、みたいに効率的に情報蓄積・整理すれば、困ったときにはちょっとEvernoteを検索すれば自分データベースから検索できます。

専門知識は時の流れとともに陳腐化しますが、学びを抽象化して汎用知識をデータベース化することで資産になります。
これを考え始めると面白いですよ。

まとめ

この変化の速い時代、自分の所属する産業が消える可能性もありますが、上手く波乗りするためのポイントとして専門知識と汎用知識をセットで磨くといいよということを紹介しました。

  • スペシャリスト(専門性)とジェネラリスト(汎用性)を併せ持つT型、π型人材を目指そう
  • 専門性は方法が明確。(資格スクエア世界最大のオンライン学習Udemy等のオンライン学習も便利)
  • 汎用性は明確な方法がない。そしていつ必要になるかもわからない。
  • 心を開いてセレンディピティという偶然の出会いを大切に
  • 小説、ドラマ、アニメからでも学びは得られる(HuluやFODも便利)
  • 学んだことを横展開可能な形で抽象化して、いつでも取り出し可能な形で保存しておく

まずは気軽に本を読んだり、HuluやFODでドラマやアニメを観てみるのもいいと思いますよ。