「自分の年収は知人10人の平均である」という言葉があります。
これは年収に限った話ではなく、趣味・生活様式・思考パターンにも通じる言葉と言えます。
「類は友を呼ぶ」ということですが、引き寄せの法則も本質的には同じ事を言っています。
引き寄せの法則、とはロンダー・バーン氏が著した「ザ・シークレット」という本をきっかけに広まった考え方です。
私も紆余曲折合って真面目に勉強を始めて2年、手ごたえを感じておりますが、「引き寄せの法則」は万能の打ち出の小槌のような奇跡の法則ではなく、日々をコツコツと積み重ねるための「実践のための処方箋」だと感じています。
引き寄せの法則について
各書籍ではどのように表現しているか
引き寄せの法則について解説された本は色々とありますが、私が読んだ中で良書だと思える本を挙げてみます。
富を手にする『ただひとつ』の法則 (ウォレス・D・ワトルズ)
- 万物の源は思考する物質です。思考する物質とは、始原の状態で宇宙空間のすみずみまで広がり、浸透し、充満しているものです
- 思考する物質の中に生まれた思考は、思い描いたとおりのものを形成し、生み出します
- 人はさまざまなものの形を考えて、思考する物質に伝え、それが生み出されるよう働きかけます
宇宙を味方にしてお金に愛される法則 (ボブ・プロクター)
- 万物はすべて振動しており、静止しているものはない
- ある物体と別の物体における唯一の違いは、振動の大きさや密度の差でしかない
- 潜在意識内にあるイメージは振動を持ち、その振動に同調するものが引き寄せられ、同調しないものははじかれるのです
「引き寄せの法則の本質」 (エスター・ヒックス&ジェリー・ヒックス著)
- あなたは絶対的な自由の状態にある
- あなたが経験するすべてのものは、あなた自身によって引き寄せられる
- あなたには自分を縛るものを引き寄せる自由さえある
振動とか同調という類の言葉が見られるとおり、心の中についても類は友を呼ぶということですね。
全てのものは振動している
感情を表す表現は、「波長が合う」「気持ちがシンクロした」等のように振動を連想させる言葉を使っていますが、これはどういうことなのでしょうか。
思考も脳波という形で振動・波動として捉えられるように、感情も振動の形で捉えられるということなのかもしれません。
視覚について考えてみると、人の網膜が認識して脳で把握する際に、色の違いは波長(周波数と反比例の関係)の違いに応じて認識しています。
聴覚についても、感じる音の特性は周波数によって変わります。
感情における周波数の高低
スピリチュアル系の本では便宜上、ポジティブな感情を高い周波数として捉えているようです。
ロンダー・バーン氏の「ザ・パワー」では、感情の段階が高いものから順に以下のように定義されています。
⑧まではポジティブ、⑨以降はネガティブな感情とされています
①愛
②感謝
③歓び
④情熱
⑤興奮
⑥熱意
⑦希望
⑧満足
⑨退屈
⑩苛立ち
⑪落胆
⑫心配
⑬批判
⑭怒り
⑮敵意
⑯羨望
⑰罪悪感
⑱絶望
⑲恐怖
他の本でも類似したことが記載されていますが、少しでも上の感情に移動していくことを考えるのが良いようです。
例えば絶望しているときには、いきなり感謝するのは難しいと思うので、一時的なカンフル剤として羨望を抱いたり、自分に怒って推進力とするのは大いにありだと思います。
また、細かい序列については気にしすぎずに、ざっと使えそうなところを抜き出して利用すれば良いと思います。
他人に奨めるか否か
引き寄せの法則を使い始めた段階では、他人に勧めるという罠に陥ることがあります。
自分としては「凄い法則を見つけた」と思っても、他人にとって同様かというと、そうではありません。
自分の心の中に留めておくのが無難であり、自分の中だけで実践していきましょう。
その結果、私達が良い意味で変わったことに気づいた周囲の人がコツを聞いてきたら、教えたり勧めれば良いと思います。
私が良いと思うゼロからの試行錯誤法
私が工夫する中で確立した方法は以下の通りです。必要に応じてご参考になさって下さい。
①まずは良書を繰り返し読んで理解する(最低10回は精読)
最初はざっと読んで全体をつかみ、繰り返し読む中で精読に移行していく流儀でもいいと思います。やり方は自由ですが反復して読むことが重要です。②出来るものから順に実践する
無理はし過ぎないことが重要です。
出来ること、日常の些細なことから少しずつ実践していきましょう③日々の生活で自分と環境がどのように変わるかを観測する
変化は徐々にしか起こらないので、記憶に頼ると正確な検証ができなくなります。
日記や手帳を利用する習慣を取り入れるのが良いと思います。④①から③について複数の書籍を読んで実践する
⑤④の内容を自分の中でいいとこどりする
・良いと思える点を組み合わせる
・必要に応じて微修正する
(ただし、書籍で先人が絶対的に禁止している内容は本質に関わることが多いので、自信の無いうちはやらない方が良いです)⑥気に入った本を継続して読む
できれば100回程度繰り返して精読したいものです。
そのレベルに至れば、きっと何らかの良い効果があるでしょう。
その際に、心がけておくと良いポイントは以下の通りです。
- ある程度ファジー(曖昧さ)を許容する
何事も極端から極端へ走る人がいますが、バランス感覚を欠いた危うい状態になってしまいます。
私たちはロボットや機械ではありませんので、ある意味での緩さが必要です。
- 結果を焦らない
結果を早く求めると、生活を劇的に変化させてしまい、そのストレスによって続かない、という本末転倒の結果になります。
- 忍耐強く続ける
直ぐに飽きたり心変わりしてアレコレ別のものに目移りすると全て中途半端に終わります。
「愚直」という言葉は「寛容さ」「バランス感覚」とセットになることで、素晴らしい黄金の特性になると思います。
- 上記を踏まえた上で真面目に取り組む
私もそうでしたが、本気にならないうちは中々真面目に取り組めず、ものになりません。
人生でどん底や切羽詰る経験をされた方こそ、真面目に取り組むための前提条件を満たしている様にも思えます。
行動不要という落とし穴には注意
引き寄せの法則に関する書籍では、まずは思考を整える必要性が説かれていますが、この点に関しては私も違和感は感じていません。
しかし、私も含めて初めて引き寄せ関連の勉強をした人は、
強く念じれば行動は不要と勘違いをしてしまいます。
強く念じて願って、家の自室の布団に閉じこもって眠っていれば、そのうち全てがお膳立てされた上でやってくる
可能性がゼロという訳ではありませんが、待ち続けている間に一生が終わってしまう可能性が高いです。
つまり、思考だけでなく行動した方がよっぽど実現が容易だということです。
折角肉体を持って生まれてきて、動ける状態であるのならば、自らの身体を動かして体験を積み重ねることに生きる意味があるのではないのでしょうか。
引き寄せ本は海外から発祥した
そもそもですが、引き寄せの法則関連のメジャーな書籍は、海外で執筆・出版されたものが訳されて日本で出回っている状態です。
根本的な考え方は全世界や民族を問わず有効に活かすことができると思いますが、行動に関する解釈についてはとりわけ日本人が誤解をしやすい部分だと思うのです。
何故、日本人は誤解をしやすいのでしょうか?
他人指向型人間を量産する教育制度
日本の教育は、以下の様に「行動しない」方向に誘導する特徴を持っていると思われます。
- 知識(ペーパーテスト)偏重
- 横並び
- エスカレーター式
- 出る杭は打たれる
中には良くも悪くも行動力のある人もいますが、大部分の人については多少の差はあれど上記の傾向を持つように育てられ、「行動しない」ようになっていくのではないかと思います。
勿論、これは悪い側面だけではなく、日本人特有のマナーの良さや品格の高さを形成する良い面もあると思いますが、引き寄せの法則を習得する点においては誤解の原因となっているとも思えるのです。
逆に、海外の人は(個人差はありますが)日本人よりもフットワークが軽く行動を起こす割合が高く、思考が整わないうちに行動して失敗するケースが多いのではないでしょうか。
それゆえ、海外で発祥した引き寄せの法則の原典では、まずは思考と感情を健全な方向に調整した上で走り出すように諭しているのではないか、と思います。
エネルギッシュであるほど動き出すパワーが強いため、方向を誤るととんでもないことになりますからね。
日本人の成功者である松下幸之助氏や本田宗一郎氏、稲盛和夫氏の発言や書籍を見ても、「コツコツと行動すること」や「努力」を重視する内容が見られ、日本人の民族性を踏まえた上で行動の重要性を訴えているように思えます。
勉強でもテキストを読むだけでなく問題集を解くという実践を経て試験を突破する力が身につくように、実生活でも実践という行動を重視するのが良いと思います。
難しく考える必要はなく、書籍に書いてあることをゲーム感覚で実践すれば良いと思います。
私もウォレス・ワトルズの書籍の内容を実践していますが、徐々に結果が出てくると面白いものです。
ウォレス・ワトルズの「お金持ちになる」科学的方法を実践した5つの効果
真面目に、しかし、趣味に取り組むようにリラックスして何でも実践してみるのが良い結果に繋がると思います。