パソコンやスマートフォンが普及して便利な時代となりましたが、それに反比例して手書きをする機会がめっきり減っているのではないでしょうか。
私の場合もみっちり手書きしていた記憶は大学生の頃まで遡ります。
学部生の頃は講義で手書きがメインでしたが、研究室に配属されると専攻がコンピュータサイエンスでしたので研究も論文作成もコンピュータを使って作成する形となりました。
そして、就職はIT業界でしたのでほとんど手書きをすることはないままで、手書きを行うのは
- 会議でホワイトボードを使う時
- ノートや手帳に書き込む時
といった程度になりました。
改めて手書きで文字を書く機会はほとんどないといっても過言ではないと思いますが、手書きのスキルを磨くことでどのようなメリットがあるのでしょうか。
メリット① 繊細な指づかいによる能力向上
厳密には機会の減少により退化していた能力が復活するとも言えるように思います。
手は「第二の脳」という声もありますが、手書きは非常に複雑な作業です。
- ペンを複数の指で支える
- 強弱を交えながら
- とめる、はねる、はらう、等を使い分け
- 直線や曲線をイメージ通りに書く
という繊細な動きがコラボレーションすることになります。
研究結果からも、手書きでノートを取った学生の方がパソコンで入力した学生よりも成績が良いことが分かっています。
IT機器の使用が日常的になった現在、手書きは脳にとって逆に新鮮な刺激なんですね。
メリット② 一言手書きを添えることで人の心を掴める
手書きの一文字もキーボードで打ち込む一文字も同じ文字であることは確かです。
それどころか、キーボードで打ち込む一文字はインターネットを介して今まで届けられなかった人にメッセージを伝えることができるという点では素晴らしいメリットがあります。
しかし、リアルで接する人に対しては手書きの一文字はこの上なく心に届きます。
タイピングして印刷した手紙を送った場合は受け取った側は事務処理感が否めません。
そこに付箋や便箋に一言手書きでのメッセージを添えることで受け手側に誠意と気持ちを伝えることができます。
特に年配の方は、仕事もプライベートも問わず、手書きのメッセージを送ると喜んでくれます。
ビジネスは人間同士の関係ですので、こういった経験を通して感情の機微を理解できるのも有益ですね。
メリット③ 手書きを華麗に決められると見栄えが良い
ビジネスエリートは自分の名前をサインする機会が多く、華麗に手書きを決めたいんですよね。
私の周りの経営者の方々も書道教室に通っている方が多く、手書きの文字が汚いと様にならないと言っています。
経営者に限らず、仕事の際にも実益はあります。
例えば打ち合わせでホワイトボードに綺麗な文字を書いて説明すると一目置かれます。
また、転職活動の際に履歴書を手書きで丁寧に書ければプラスアルファの印象を持ってもらえます。
私は転職活動の際には履歴書は手書きで提出していましたが、面接時や入社後に手書きを褒めてもらえます。
文字を綺麗に書けるだけで面接を突破できませんが、他の条件が揃っていれば加点要素になります。
達筆である必要はなく、丁寧さが感じられる手書きを決められると印象に残ります。
手書きを練習する機会は簡単に作れる
練習する際には特にお金をかけて習字教室に通う必要はありません。
継続的にお金を払う必要はありませんし、忙しい社会人は通う時間がもったいないです。
それよりも以下の機会を利用して練習する方が良いでしょう。
手帳や日記に考えを書き出して自分と対話する
日記として手書きで残しておくと定期的な振り返りにも役立ちますし、その時の筆跡を見ることで感情も思い出すことができます。
後で振り返って上達していることが分かるのも面白いです。
勉強する
資格の勉強をしたり、読書の内容をノートに書き写したり、読むだけの場合やパソコンでのタイピングよりも理解度が深まります。
私が資格の勉強を続けられたのは手書きの刺激が心地良かったというのも多少はあると思います。
手紙、メッセージカード、絵葉書を書く
外出した際に絵葉書を買って送ったり誕生日にバースデーカードを送ったり、送る側は遊び感覚で葉書やメッセージカードを選び、楽しみつつ文章を書いているだけですが、貰う側も非常に喜んでくれます。
文字は丁寧に書くことで自然と上達すると思います。
もしお手本が欲しいならば、適当に入手されると良いと思います。
ペンでの文字が上達したら、写経で毛筆にチャレンジされてみるのも面白いかもしれません。
お気に入りの筆記用具を持つことで書きたくなる演出をする
形から入る、ではありませんが、筆記用具にこだわりが出ると思います。
私は10年近くPILOTのレグノのダークブラウンを使っていますが、デザインや書きやすさが心を高揚させてくれる大切な要素です。
万年筆をお持ちになるのも面白いかと思います。

PILOT
このIT時代に温故知新ということで新たな風を呼び込んでみてはいかがでしょうか。