簿記1級合格後に転職でどのようにキャリアアップしたかご紹介

仕事

簿記2級、1級を取得後にどのように転職してキャリアを広げていったのかを紹介します。

当時の仕事の状況とモチベーション

私は新卒で入社してからインフラSEとして働いていました。

当時はクラウドではなく、サーバー等の機器を物理的に調達してから構築する「オンプレミス」というシステム構築方法しかなかったため、障害対策・性能・セキュリティ等を考慮したシステムインフラを構築する業務に携わっていました。

仕事は忙しく、夜間も休日もサーバがジャングルのように立ち並ぶ「データセンター」でシステム構築作業に勤しむ日々でしたが、寒さと乾燥と轟音で人体には厳しい環境でした。
この働き方は長くは続けたくない、と強く感じていました。

オンプレミスの場合はサーバー・ストレージ装置・ネットワーク機器・ソフトウェア製品を何千万円~何億円という金額で調達してから構築作業スタートとなるため、今のクラウドのように「とりあえず試して駄目なら辞める」ということができない状況でした。
つまりは、「現場でどうにかして絶対に完遂しろ」ということでした。

各サーバー機器やソフトウェア等は営業的な理由等により決まっていることもあるので、興味のない製品についてもマニュアルを読み込んで使いこなければなりませんでした。
商用製品を組み合わせると、うまく動かない箇所があるというのは珍しいことではなく、各メーカーの責任の押し付けあいの中で、現場で頑張って深夜や土日も使って間に合わせるということもしばしばでした。

そんなこんなを繰り返しているうちに最初は自分なりに工夫をしていた仕事も、いつしか「さばく」ことが目的となり、披露の蓄積とともに職務内容への関心も徐々に低下していきました。

簿記(会計)を勉強しようと思ったきっかけ

世間では、ビジネスマンの3種の神器のスキルとして英語・会計・ITが挙げられていました。

実際これらをどの程度身につけるのかは、それぞれが置かれている環境次第だと感じます。
私の場合、ITは仕事で使っており、英語は技術文書を読むことはあれど話せる必要性はなかったです。

残るは会計、すなわち簿記ですが、私が簿記を勉強しようと決意した判断材料は以下の通りです。

  • プロジェクトの収益管理において工業簿記の知識があるとベターだった
  • 仲の良かった同期が独学で簿記2級に合格した
  • 会計パッケージソフトの全盛期であり、簿記を身につけることでキャリアチェンジできそうだと思った

客観性に乏しく、主観的な理由が占めていますね。

実際に簿記を勉強してみてわかったアドバンテージ

簿記はビジネスの一般教養のようなもので汎用性が高い

簿記はビジネスにおける教養(リベラルアーツ)のような位置づけのスキルであり、どこに言っても活用できるという汎用性を感じました。

事業やプロジェクトを立ち上げると、必ず収支を管理することになります。

「世の中をより良くする」ビジネスは社会性の観点で必須ですが、「価値の提供を通じて利潤を得る」という側面もなければ継続できません。
資金繰りが滞って事業を畳んでしまえば、残念ですよね。社会の損失と言っていいほどに残念ですよね。

そのようなリスクに対抗するために、お金の数字を管理できる人が事業やプロジェクトの中核に入りやすい、という印象を受けます。
お金の勘定にしか興味がないのはいけませんが、既に持っている専門性に簿記の知識が加わると、より重宝されるのは言わずもがなでしょう。

「スキル習得」のスキルがレベルアップする

これからの時代は産業の栄枯盛衰サイクルが短くなることが予想されます。

つまり、会社のみならず業界そのものが産まれる/消滅する可能性があるということです。

年金問題により、定年の年齢も徐々に上がっていくことが予想されるので、業界をまたがったキャリアチェンジをしなければならないことが普通になると予測する声もあります。
業界をまたがらずとも、職種が変わるようなジョブチェンジは頻繁に起こることになるでしょう。

そのような時代に年齢を問わず必要となるのが、勉強し続ける能力です。
効率的に「スキル習得するスキル」、と言い換えても良いでしょう。

「スキル習得スキル」を身につけるには、実際にスキルを身につける経験をすることです。
その題材として簿記を選ぶことは決して間違っていないと思います。

  • 簿記の目的→あらゆる物事を金銭的価値で表示して、ステークホルダーの意思決定に利用可能な情報を提供する
  • 簿記の基本思想→ステークホルダーの意思決定を妨げないように、「保守的に」財務諸表を作成する、等

のように、そのスキルの存在目的や基本思想を押さえることで各論についても応用を利かせながら学ぶことができると思います。
そのような「学習のコツ」が蓄積されることにメリットがあると思うのです。

転職活動をためらいなくできるようになった

複数の専門スキルを保有することで、キャリアアップのための行動を起こせるようになったのが最大のメリットでした。

キャリアアップにおける成功の8割は計画された偶発性(プランドハプンスタンス)によってもたらされる予期せぬ成功だそうですが、私の場合もまさにこれでした。

転職活動で出会った偶然により、私のキャリアは1つずつ積み重ねられてオリジナルなものとなりました。
その最初のきっかけは簿記を勉強したことです。

実際に転職先を紹介してくれたのは、転職エージェントや転職サイトですが、そこに登録して行動するアクションを起こせるようになったのは自分の中で自信がついたからでした。

現在もIT業界に身を置き続けてはいるものの、当初からは予想もつかないキャリアを歩んで今の職場に辿り着きました。
狙ってたどり着けるものではないと思います。一つ一つの行動を起こせたことが今に結実しているのだと感じます。

おまけ:副業や起業する場合も有利

副業や起業をした場合、確定申告を行うことになります。

ビジネスと税は切っても切れない関係にあるのです。
税務は複雑で常に変わりゆくものですが、簿記や会計を知っておくことは大いに強みとなります。

簿記を知っていれば税理士の先生にも相談スムーズをできるでしょう。
もしかすると、副業に挑戦する気になれないのは、会社から副業禁止されているからではなく、帳簿作成や確定申告を考えると気が滅入る、という場合には簿記を学んでおけばハードルが下がるかもしれません。

簿記を知ることで様々な機会に目が向く様になるのは、面白く楽しい感覚を味わえることでしょう。